こんにちは、管理人のみしぇるです。
今回は精神科医の水島広子さんが書かれた「誰と一緒でも疲れない『聴き方・話し方』のコツ」(2014年著)を紹介します。

人と話したあと、いつも疲れちゃうのよね…

会話を盛り上げるのって苦手…。
コミュニケーションで悩みを持つことはありませんか?
この本に出会うまで私は、人と会話した後にすごく疲れてしまうことに悩んでいました。
人と話すことは好きなのに、どうしてこんなに疲労感を感じるのかずっと不思議に思っていました。
疲れてしまう様子はこちらの記事でも取り上げています。↓
人と楽しく会話していたはずなのに、会話のあと疲れを感じてしまうのはなぜなのか。
疲れずに会話する方法はないのか。
この記事はこんな人に向いています。
・コミュニケーション(話す・聞く)に苦手意識がある人
・コミュニケーション(話す・聞く)による疲れを減らしたい人
・会話中や会話後の相手や周りの反応が気になってしまう人
では早速見ていきましょう。
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目次紹介
- はじめに
- 第一章 コミュニケーション力とは? コミュニケーションの役割を知っておこう
- 第二章 コミュニケーションの基本姿勢 「話す力」を身につけよう
- 第三章 コミュニケーションの基本姿勢 「聴く力」を身につけよう
- 第四章 「自然なコミュニケーション」をしよう 自分・相手・関係性の「限界」を受け入れよう
- 第五章 ストレスフルなコミュニケーションを上手にこなすコツ
- 第六章 自分の思いがきちんと伝わるコミュニケーションのコツ
- 第七章 コミュニケーションを自在にコントロールする秘訣 もうどんな状況でも大丈夫
- 第八章 集団を相手にしたコミュニケーション
- おわりに
この本のメインテーマ

この本を通して著者が最も伝えたいこと。
それは「コミュニケーション力とは自分も相手も尊重し、目的に応じてそれぞれの考えや思い、あるいは情報をうまくやりとりする力」ということです。
一方的に相手の期待の応えるために、あるいは自分の期待に応えてもらうために、がんばって手に入れるスキルではない、と言っています。
現代に生きる私たちは、「〇〇力」という「〇〇スキル」という言葉をよく耳にします。
でも人間関係においては、それらを実践すればうまくいく!と期待するのは危険です。
なぜなら同じ人間でも、みな「違う事情をもった人間」だからです。
さまざまな事情を持った人間相手に、小手先のテクニックでコントロールしようという考えは、相手にも自分にも良くない結果をもたらすので、手放した方がいいでしょう。
この本はコミュニケーション力がないと悩んでいる人を救う内容になっています。
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疲れを感じる原因 3選
ではここからは、具体的に疲れの原因となるものを取り上げていきたいと思います。

そもそも会話で疲れる原因て何があるの?
話す時:相手の存在を「評価を下す人」と思っている

会話するとき、あなたにとって相手の存在はどういう存在ですか?
「話すのが下手だと思っているかな?」「つまらない話と思われていないかな?」など、「相手は自分に評価を下す存在」と思っていませんか。
こういう見方で相手を見ていると、「上手に話をしないと!」「楽しい話をしないと!」など、相手からの評価を良いものにしようとがんばろうとしてしまいます。
がんばろうとする姿勢でい続けると、それが結果的に疲労感につながっていくのです。
これに対して著者は「コミュニケーションは『スキル』ではなく『やり取り』。相手を「良いコミュニケーションができるように自分を助けてくれる存在」と、見方を変えよう」、と話しています。
話す時:会話をかみ合わせようと努力する

どんな相手だろうと、楽しく会話できると思っていませんか?
大前提に、人は誰でも苦手があります。
自分にも苦手があり、相手にも苦手があります。
苦手なところがある者同士なので、どうしても「相性の限界」があります。
なので話がかみ合わないということがあっても、それはむしろ自然なことなのです。
コミュニケーションで疲れを感じる人は、話をかみ合わせたいという気持ちのために無理をしているのかもしれません。
これに対して著者は、「どんな相手とも楽しく会話できるという幻想を手放す必要がある」と話しています。
聞く時:自分の思考の雑音を聞いている

人は相手の話を聞いているとき、同時に相手の話に対して思う「自分の感想」も聞いています。
つまり、相手の話+自分の考えや思い(雑音)を一緒に聞いているのです。
著者は、「むしろ自分の思考の雑音の方が大きくて、相手の言っていることはほとんど聞こえていない場合も少なくない」と言っています。
相手の話を聞きながら、同時に色々と考えることをしているので、当然疲れてくるのです。
例えば、相手の話がつまらない話と感じられたら、ネガティブな考えが浮かんできて疲れるし、何とかしてあげなければと感じられたら、一生懸命考えて消耗してしまうのです。
こういう場合には、著者は「何らかの思考が浮かんできたとき、その思考をただ『脇に置く』という感覚で、再び相手に集中しましょう」と言っています。
疲れるコミュニケーションから身を守る 2選

がんばって話したり、考えながら話を聞くと疲れちゃうのね?
人は自然体でいられなくなった時、疲れを感じてしまいます。
では、どうしたら自然体でコミュニケーションを取ることができるのでしょうか。
本書で分かったキーワードが2つあります。
リラックスする

「沈黙がこわい」「グループの輪にうまく混ざっていない」「上手に話せない」などの悩みがある人は、まずリラックスすることを意識しましょう。
上記のことを心配する人は、人からどう思われているかを考えすぎてしまっています。
つまり自分の雑念を聞きすぎている状態です。
「相手は(周りは)、自分をどう思っているんだろう?」「どんな風に見えているんだろう?」などを考えすぎては、疲れる原因になります。
なので、そういうときは、著者は「どうするのが自分にとって心地よいかに集中する」のが大切だと言っています。
沈黙が続くときも「自分がなんとかしなきゃ!」と思わずに、まずは自分をリラックスさせて、相手の様子をみてもいいのです。
グループの輪にうまく混ざっていないと感じるときは、グループに溶け込んでいるかどうかを考えるのではなく、一人でいて心地良いのなら1人でいればいいし、興味があれば話しかけるという行動を起こせばいいのです。
「上手に話せない」と思ってしまうときは、「上手に話せているかな?」「話すの下手くそだと思われてないかな?」という自分の雑念を脇に置くようにしましょう。
コミュニケーションは「やりとり」なので、一人でがんばっても成り立ちません。
自分も相手も疲れないコミュニケーションをするために、がんばろうとしていないか、緊張していないかに気を付けて、まずは自分が心地よい、リラックスした状態をつくることを意識してみましょう。
「自分の領域」と「他人の領域」を守る

人には誰でも、本人にしか分からない「領域」を持っています。
この「領域」は、その日の気分や体調、価値観や生まれ持ったものや育ってきた背景や環境など、それぞれがもっている事情に基づいてできています。
それを侵害されると、人は不快な気持ちを持ちます。
だれでも自分のことについて勝手に決めつけられたりすると頭にくるので、当然ですよね。
結局は、今まで話してきた話も「自分の領域」と「他人の領域」を守ろう、という話になります。
著者は「『領域』の概念をきちんと持っておかないと、自分が傷ついたり相手を傷つけたりします。」と言っています。
私たちは、自分の思いや意見、情報などを「自分の領域」内で話すことはできますが、相手にそれをどう受け止めろと指示することはできません。
受け止めるのは「相手の領域」のことだからです。
例えば誰かにグチを言ったとします。
それを「あなたもそう思うでしょう?!」と言うのは、相手の領域に入り込んでいるので良いコミュニケーションとは言えません。
あるいは、「あなたってこう人だよね」など上から目線で人を評価するのも、相手の領域を侵害しているので、相手に不快に思われます。
また逆に、頼まれ事をしたとき、とてもできそうもないのに引き受けてしまうのは、自分の領域を守れていないということになります。
そういうときは相手の期待に応えるのは実現可能かを冷静に考えて、「今は忙しいからムリだけど、いつならできるよ」や、「今回は都合が悪いからできないよ。また次回、協力させてね。」などと返答し自分の領域を守るようにしましょう。
まとめ
ネットが進んだ時代になっても、私たちはまだまだコミュニケーションをしないでは生きていくことはできません。
常にどこかで、何かで人とコミュニケーションを取っています。
そのときに大切になってくるのは、「自分も相手も大切にした」コミュニケーションです。
相手からの評価を気にしたり、自分の頭の中の雑音で頭を忙しくさせるのではなく、リラックスして「自分の領域」内で話す、聞くことを意識してみましょう。
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編集後記


アサーションに通じるコミュニケーション!
この本のおかげで、コミュニケーションで疲れる理由が分かり、すごくラクになりました!
上には書ききれなかった話で、私は人と話すとき「楽しませないと!」という思いが強いらしく、「せっかく話しかけてるのに親しい雰囲気にならない」という悩みがありました。
それに対して著者から、「相手はこの関係をそこまで期待していないのかもしれない」というお答え。
コミュニケーションで悩む人は、「自分も相手も完璧ではない」ということを気付いてない人が多いかもしれませんね。
著者は、「話がかみ合わなくても、親しい雰囲気にならなくても、それはそれで自然なコミュニケーション。だってお互い得意・不得意があるのだから!」と話していました。
なんとありがたい教え(笑)!!
私が思っていたコミュニケーションは、理想のコミュニケーションであって、現実的なコミュニケーションじゃなかったということなんだなぁと学びになった読書時間でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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